リハビリメイクともご縁の深い於岩稲荷田宮神社(東京都新宿区左門町) 神主 栗岩英雄(くりいわ ひでお)さんよりいただいた素敵なお話をご紹介いたします。
都立小学校校長・幼稚園園長などを長らく務め、今なお日本国語教育学会常任理事など教育者としてご活躍中の神主様の心に寄り添うメッセージをお届けいたします。
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第2回「よき聴き手、よき話し手」になろう
前回で、「有事人生」について話しましたが、そんなこともあって、私に、「いろいろ人生相談を語りかけて来る方」が多くなっています。
私を元・先生としてか、今・神主としてか、どちらとして相談を持ちかけて来るのか分かりませんが、多少迷惑しています。私は「人生相談員」ではないのです。
やむを得ず、「話し相手、聴き相手」になってしまうこともあって、そんな時、「どう対応したら、相手の心を和らげることが出来るか」など考えてみるようにしています。
あなたもそんな場合があることでしょう。ご一緒に考えてみましょう。自分自身の道が拓かれて来るかもしれません。
○「よき聴き手」であるためには。
人には誰にでも、「良き欠点」があります。「良き」「欠点」とは何でしょう。
他人から何か相談を受けたり話しかけられたりすると、「聞いてあげるのは良いのですが、直ぐ自分の考えを言って応えてしまう。」ことです。
それは親切ではありますが、「話し手の気持ち」が十分理解できていません。
相談したい人は、まず自分の気持ちをゆっくり聞いてもらいたいのです。「話すこと」で気持ちを和らげたいのです。
極端に言えば、相談相手の「御託宣(ご意見)」などはどうでもよいのです。先ずは自分の気持ちを汲み取ってもらいたいのです。
ですから、「へえー」「そんなことあるの」「驚くわねえ」「それでー」「だから、あなたはどうしたのー」などとよき聴き手に成り続けることです。
こうした聴き方で、相談相手は、99パーセントは満足してくれるのです。(一度試してご覧なさい)
でも、それでは、聴き手は無駄な時間を過ごすだけになってしまうのではないかと思いたくなるでしょう。
そんなことはありません。「聴き手」は「自分では経験出来なかった大事な人生経験を他人の経験を聴いて、<自分のもの>として増やし深めていけるのです。
ご自分の経験だけでは限りがあります。他からの経験も自分のものにしてこそ<有事人生>を語ってあげられる資格となるのです。
多くの人とそのように考えている「触れ合って」いる人が魅力的な人です。作家や人生相談家などにはそういう人が少なくありません。「小説を読む」ということは、そういうことの一つと思ってもよいでしょう。
○「よき話し手」であるためには。
もうお解りでしょう。「有事人生」を標榜し、積極的に前向きに生きてゆく心構えの人が、ご自分の経験だけではなく、「よき聴き手」として仕入れた経験も生かして必要に応じて「よき話し手」として相談相手になることが大事です。
「人生では次々といろいろな出来事に出会います。それは避けることは出来ません。初めから覚悟して対応することが大事です。
「あなたは人生がまた広まり深まっているんですよ。辛い事だなんて思わないで、むしろ、また、人生豊かになった降りかかって来たトラブルに前向きに立ち向かいなさい。」そう考えると、不思議、不思議、<その時は辛いと思ったことが、いつの間にか自分の生活力に自信が生まれ、強い人間に変容していること」に気付きます。
生きるということへの向かい方が大きく変わります。相談相手の心情がそのように変わるような「話し手」になることが大事です。
あなた自身もまた一段と強く生きる「有事人生」の普及人になります。
悩みや苦しみを訴える相談相手の「よき聴き手」そして「話し手」になりながら、あなた自身もさらに成長できることになるのです。
於岩稲荷田宮神社 神主
栗岩 英雄(くりいわ ひでお)さん
東京都出身、昭和4年生まれ。「於岩稲荷田宮神社」神主として神職に仕える以前は、都内数多くの公立小・幼稚園の教諭、校長、園長を歴任。
千代田区立錦華小学校、幼稚園(現お茶の水小学校・幼稚園)を最後に41年間にわたる教職生活を定年退職。
国語科教育を専門とし、全国ならびに東京都小学校国語研究会会長を務め、千代田区教育委員会教育委員・委員長、日本国語教育学会常任理事・広報部長を歴任し、都や国から数々の表彰を受ける。
現在も東京都神社庁中央支部所属信仰者役員代表(総代)、日本国語教育学会常任理事、学校法人竹早学園「教員・保育士」養成所理事及び臨時講師、日本児童教育振興財団理事をはじめ、など役職を多数務めるほか、都内各地の小学校研究会の講師として150校以上の現場教育の指導や保護者対象の講演を行うなど日々ご活躍中。
●受賞歴
1956年 東京都知事・善行賞受賞
1987年 博報賞(国語教育)受賞
1990年 東京都教育功労賞を受賞
1994年 日本教育連合会「教育研究賞」を受賞
1997年 郵政大臣感謝状を受ける(天皇・皇后両陛下に拝謁を賜る)
1998年 千代田区政功労賞表彰
2000年 簡易保険特別功労賞(第38回諸井賞・全国受賞者14名)を受ける
2009年 平成21年春の叙勲「瑞鳳双宝章」受章(天皇陛下に拝謁を賜る)